This is official site of Black Water Dive® produced by photographer Ryo Minemizu. Black Water Dive® is a kind of night diving. We are setting up underwater lights of high-color rendering on the sea bottom of night that while considering tides, times, places. The creature which appears is mainly juveniles and larvae. All is fascinating, and it's not to be seen at daytime or regular night diving. It will be your first experience. This site will introduce the state of the event and the creatures seen and also future of BWD schedules. *"BWD"stands for Black Water Dive®.*Black Water Dive® is a registered trademark of Ryo Minemizu.
ラベル ホウキボシエソ科の稚魚 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
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2015年12月28日月曜日

2015 Pre BlackWaterDive® モルディブ Maldivian Stars

2015年BWDの締めくくりは、初のインド洋 モルディブでのプレ(調査)開催。
カオリータさん率いる Maldivian Stars のイクエーター号で、6日間のクルーズ中に2夜開催いたしました。

モルディブは大小さまざまな環礁からなる世界でも稀な海です。環礁のすぐ外にはインド洋があり、乾季と雨季のそれぞれに季節風が吹きます。その為、礁の周りは常に豊富なプランクトンが湧き上がり、そういったプランクトンを求めてマンタやジンベエがモルディブの海ではいつでも見られます。

モルディブ特有の環礁という環境は普通と何が違うかというと、通常は、海の上に島があり、それにサンゴ礁のリーフがつづくという地形がほとんどですが、その場合、風は島に遮られるため、風によって押し寄せられた水はリーフにぶつかり、多くの場合は潮の干満による潮流によって運ばれます。

しかし、モルディブのような環礁の場合は、大半が海の下にあるリーフで成り立っているので(島が少ない)、干満の潮流よりも、季節風による風の影響の方が強く、風によって沖合から運ばれたプランクトンは、リーフ上を通り抜けたり、それぞれのリーフの隙間にある水路(周りより深くなっている)に集約されて、環礁間にも運ばれ、最終的には出口にあたる(風向きとは逆の)環礁の外に運ばれ再びインド洋に出ていきます。つまり、潮の干満よりも風による潮流の方が影響が大きくなります。

モルディブの環礁は、例えるとインド洋の鰓耙(=さいは)のようなものかもしれません。通常は沖合の表層域に暮らしている様々なプランクトンが環礁に向かって常に運ばれているため、普段は見ることが少ない、深海魚の稚魚なども、ここモルディブでは高確率で狙えます。

ここなら深海魚系の稚魚が出るかもと予想はしていたのですが、ほんとに出るとは...私もびっくり
(成魚は200-1,000mの中深層に生息しています)
テンガイハタの稚魚
2015/12/23 南マーレ環礁 水深5m 体長15mm
テンガイハタ、もしくはその近縁種の稚魚と思われます Trachipterus spp.
尾鰭はまだ分化せずに仔魚膜のままです

もう一つの深海ものはホウキボシエソ科の稚魚、イブの日に無理を言って調査ボートを出していただいたのですが、2個体も出てくれました。体後半から下に長く伸びているのは外腸で、体積を増やすことによる浮遊適応の役割があると考えられます。
ホウキボシエソ科の稚魚
2015/12/24 北マーレ環礁 水深5m 体長30mm
ホウキボシエソ科の稚魚 Malacosteidae sp.
ネッタイミノカサゴ Pterois antennata (Bloch, 1787) の稚魚
2015/12/20 アリ環礁 水深7m 体長17mm
ネッタイミノカサゴ Pterois antennata (Bloch, 1787) の稚魚
クロイトハゼ Valenciennea helsdingenii (Bleeker, 1858) の稚魚
2015/12/20 アリ環礁 水深5m 体長23mm
おそらくクロイトハゼ Valenciennea helsdingenii (Bleeker, 1858) の稚魚
フサカサゴ科(Scorpaenidae)の稚魚
2015/12/20 アリ環礁 水深5m 体長15mm
フサカサゴ科(Scorpaenidae)の稚魚sp
下の写真は上の個体と同じで、斜め上から撮影したものです
フサカサゴ科(Scorpaenidae)の稚魚
2015/12/20 アリ環礁 水深5m 体長15mm
フサカサゴ科(Scorpaenidae)の稚魚sp

下は沖縄で見るタイプにかなり似ていますが、胸鰭も長く周囲が黄色いなど、少し違う特徴も見られます
クダリボウズギス属(Gymnapogon)の稚魚
2015/12/20 アリ環礁 水深7m 体長20mm
クダリボウズギス属(Gymnapogon)の稚魚sp

下は沖縄で見るタイプと同じようです
クダリボウズギス属(Gymnapogon)の稚魚
2015/12/22 南マーレ環礁 水深5m 体長20mm
クダリボウズギス属(Gymnapogon)の稚魚sp

ウミヘビ亜科(Hydrophiinae)のレプトセファルス期稚魚
2015/12/24 北マーレ環礁 水深7m 体長130mm
ウミヘビ亜科(Hydrophiinae)のレプトセファルス期稚魚

イソギンポ科(Blenniidae)の稚魚
2015/12/24 北マーレ環礁 水深5m 体長20mm
イソギンポ科(Blenniidae)の稚魚

ハゼ科(Gobiidae)の稚魚
2015/12/24 北マーレ環礁 水深6m 体長25mm
ハゼ科(Gobiidae)の稚魚

下はインド洋固有のチョウチョウウオの1種
Chaetodon guttatissimus Bennett, 1833
2015/12/24 北マーレ環礁 水深7m 体長35mm
インド洋ならではChaetodon guttatissimus Bennett, 1833
スポテッドバタフライフィッシュの稚魚

チョウチョウウオ科(Chaetodontidae)のトリクチス期稚魚
2015/12/24 北マーレ環礁 水深5m 体長15mm
チョウチョウウオ科(Chaetodontidae)のトリクチス期稚魚(ヤリカタギ?)

ニザダイ科(Acanthuridae)の稚魚
2015/12/24 北マーレ環礁 水深7m 体長40mm
ニザダイ科(Acanthuridae)の稚魚

クロタチカマス科(Gempylidae)の稚魚
2015/12/24 北マーレ環礁 水深7m 体長10mm
クロタチカマス科(Gempylidae)の稚魚

アジ科稚魚
2015/12/20 アリ環礁 水深8m 体長3mm
前鰓蓋骨棘にアジ科稚魚の特徴が現れています(小さすぎるため、解像度の限界...)

キンチャクダイ科(Pomacanthidae)の稚魚
2015/12/24 北マーレ環礁 水深8m 体長35mm
キンチャクダイ科(Pomacanthidae)の稚魚

エソ科(Synodontidae)の稚魚
015/12/24 北マーレ環礁 水深7m 体長35mm
エソ科(Synodontidae)の稚魚

マツバクラゲ科(Eirenidae)の1種
2015/12/24 北マーレ環礁 水深3m 傘幅40mm
マツバクラゲ科(Eirenidae)の1種

エボシクラゲ科(Pandeidae)の1種
2015/12/24 北マーレ環礁 水深6m 傘幅15mm
エボシクラゲ科(Pandeidae)の1種

キタマクラ属(Canthigaster)の稚魚
2015/12/20 アリ環礁 水深7m 体長13mm
キタマクラ属(Canthigaster)の稚魚(シマキンチャクフグ?)


モルディブでのBWDは、これから新たな楽しみ方の一つになることと思います。
使用したライトはRGBlue14台
Maldivian Starsではナイトロックスが利用できます

Maldivian Stars の皆様、エスティーワールド様、AOI JAPAN(RGBlue)様 ありがとうございました。