伊豆大島BWD2日目の報告です。
(アカイサキ稚魚についての追記アリ)
昨夜は北東の風が吹いて、少し浅場にうねりの影響が出はじめた秋の浜でした。現在の水温は17℃。
今晩・明日夜まで、なんとか海況の方安定していて欲しいところです。
さて、昨夜の報告です。写真は撮っていないですが、昨夜もタルマワシの仲間が数個体出ました。また、ゲストの方がトガリモエビ属の一種のメガロパ幼生を発見されていました。
最初の写真は甲羅から大きな棘が斜め上に向かっている特徴的なフォルム。ミズヒキガニのメガロパ幼生です。
イエローダイブの古山さんの話では、大島でのミズヒキガニのメガロパは初観察だとのことでした。
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ミズヒキガニのメガロパ幼生の正面顔 |
カニのメガロパつながりで、このところよく現れているもう一種。全長3㎜くらいです。おそらく陸棲のカニのものではないかと思っています。(未確認)
泳ぎ回っていることが多いですが、時折、この脚アゲのポーズをとって静止します。カメラを向けると途中でそれをやめてしまうので、一瞬でフォーカスを合わせないと難しいです。
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カニ類メガロパ幼生 |
ある研究者の方の同定では、ナンヨウホタルイカとされた種類です。まだ小さかったです。
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外套膜や腕の色素胞がきれいです ML約18mm |
ライト前の空間には常に無数のプランクトンや稚魚がいます。見慣れてくると大体おおまかに仕分けできるように、複数の同じ種がたむろしています。
それらのレギュラーな種類の泳ぎ方や行動と少し違う、例えば1匹だけ他と違う泳ぎや行動をするものをよく狙って撮ります。
この子は、最初ライトの光の外を遠巻きに泳いでいましたが、途中からすんなりと(躊躇せずに)光源近くに泳いで入ってきました。
稚魚図鑑が現場に無いので詳細は後で調べることにいたします・・・
ひとまず保留にしておりました稚魚ですが、
日本産稚魚図鑑
によりますと、背鰭軟条数が18以上あるのはアカイサキかハナゴンベなのですが、本種の前鰓蓋骨などの特徴から、アカイサキ
Caprodon schlegelii の稚魚と思われます。
ウッカリカサゴのブログでお馴染みの稚魚研究の第一人者である、小嶋純一先生にも、ご意見伺ったところ御同意いただきました。
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アカイサキの稚魚 D:Ⅹ,20; A:Ⅲ,9 約13mm |
2枚目は顔部分のアップ
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アカイサキの稚魚 |
上のアカイサキ稚魚画像の右下に写っているバネ状のものは、珪藻の一種、ユーカンピア
Eucampia zoodiacusです。
本日(16日)は一時的に北東の風が強く吹くそうですが、今晩は落ち着いてくれる予報です。うねりが出ないといいな・・・・